「涼…何を言うの?いずれは戻るに決まって……」 「医療に絶対はないですよ。私は何も断言出来んのです」 遠山の言葉を遮り、医師は重々しく言った。 「ただのポリープでも、声が以前と同じになるかは分かりません。声帯はデリケートですから。また……悪性なら切除範囲によっては……声を失う可能性も無いとは言えません。そして、最悪の場合―――」 「!」 「………」 遠山は両手で口を塞ぎ青ざめたが、オレはやはりな、と思った。 .