「それを、検査をお願いします」 遠山が医師に言った。 何でお前が決めるんだ、と呆れながら、オレは両手を組み思案した。 「ええ。それでよろしいですか星崎さん」 「………。」 「涼?」 遠山が焦ったようにオレの顔を覗き込んでくる。 「いや……まぁ検査はお願いします……ただ……」 「ただ?」 医師が眼鏡を押し上げた。 「これ取り除いて、声って戻ります?最悪オレどうなりますかね?」 ぴくり、と長い白眉毛が動いた。 .