静かな寝息を立てて、頭までかぶったタオルから猫っ毛だけが上下に揺れている。




どんな女も

こんな風に愛おしく感じたことはない。



行為はただの衝動に過ぎなかった。



まるで意味が違うものなんだと、やっと分かった。




愛の歌なんて歌っても、あれはただの、もっともらしく作り上げた嘘だった。




いつしか歌を作ることが、ただの仕事になっていた証だろうか。




まだ足りない
触り足りないと思うけど、ミナトくんは髪の毛を撫でられても起きる気配はない。



ヤバいな……

ため息をついてベッドを抜け出した。



熱いシャワーを勢いよく出して浴びた。




手に入れた方が、ヤバいんだ…な。



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