「涼さ…」 驚いて上げる声はくぐもってオレの胸に直接響く。 「涼さん…どう……」 困惑させているのは分かっている。 でも離せなかった。 「涼さん?」 尚も与えられる声の振動が煩わしい、と思った。 屈んだオレの髪が、出来た空間に気づいて上げたミナトくんの顔に降りかかる。 目は見開かれていた。 そのままその唇をオレは塞いだ。 キスを、した。