自分で勝手に淹れたコーヒーをすすりながら、遠山は足を組み替え 窓の外をぼーっと見ている。 「――あの子 来るかしら……」 ポツリと呟く 遠山の真意を計りかねた。 オレは腕時計を付けると、いつものように髪をニット帽に納めサングラスをした。 準備が整った様子を見た遠山がカップを片付け、オレ達はマンションを後にした。 ONEのヴォーカルとして家を出るのは これが最後だ。 .