涼さんは苦笑していた。 「何だか……泣きそうな顔してるよ?」 慌てて僕は目をこすった。 「納得……出来ません… 僕は涼さんに歌って欲しいです!」 下ろされた涼さんの腕の袖を、思わずギュッと握ってしまう。 お願いだから…… 歌うのを辞めないで欲しかった。 「―――――ありがとう…」 帰ってきた答えは、もう覆らない証だった。 どうして……… どうして!? .