「―――――実はね、
oneはヴォーカルが替わるんだ。
オレじゃなく、新しい子を今探してる」
「―――――え!?」
思いがけない言葉に僕は絶句した。
「何で、ですか!?
涼さんが…レコード会社を移籍するとか…?」
思わずにじり寄った僕に、涼さんは黙って首を振った。
「そうじゃないよ…
オレはoneのプロデューサーになるんだ」
「プロ……デューサー……」
ますます訳が分からない事態だった。
確かに涼さんは作曲もするし、何より作詞を全て手掛けている。
だけどその曲は涼さんが歌って初めてoneの曲に成りうる。
他の人に歌わせるなんて一体………何故!?
混乱する僕の頭に、大きな暖かい手が置かれた。
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