リアムのふいを突いた質問に、ミーシャの心臓は跳ねあがった。ぴたりと足をとめる。一つ、大きく息を吸ってから振りかえった。
「陛下とナタリーさま、とてもお似合いです。陛下の治療のために傍にいる私は、二人の恋路を邪魔する厄介者だと思ったんです」
笑顔を添えて伝えたが、
「自分のことを厄介者だと思った。だから、俺に会いたくなかった?」
リアムはミーシャの言葉を繰りかえしながら眉根を寄せた。
「普通、誰かに会いたくないと思うときは、相手に問題があるときじゃないか?」
「……そういうときもありますが、自分に問題があるときだってあります」
「そういうものか。だったら……」
リアムはミーシャに近づくと、まっすぐ目を見つめがなら続けた。
「次からは、俺に会いたくないとは思うな」
雪に埋もれた足が凍ってしまったみたいに動かない。ただ、彼を見つめる。
「思うな、とは、……どういう意味ですか?」
「自分を否定したり、卑下してしまうときって、弱っているときだろ。そういうときこそ真っ先に俺を頼って。ひとりで落ち込むくらいなら、会いたいと思ってほしい。きみの痛みは全部、俺が受け止めるから」
彼の大きな手が、ミーシャの頭にやさしく触れた。
「なにも打ち明けられずに無理されたり、避けられるのって、寂しいものなんだ。だから、言ってほしい。困っていると。きみのことを助けてあげたいから」
氷像のように、その場から動けない。なのに、まるで身体の中は、炎の鳥がいるみたいだった。心臓が高鳴ると同時に、胸が熱くなっていく。
――どうしよう。私が彼を支えるべき立場なのに。リアムのやさしさが、言葉が嬉しい。
リアムは、昔から人を思いやれる、やさしい子だった。今は強さまで備わってしまった。大きくなったのは身体だけじゃない。心は広く、慈悲深い。
成長した彼を知るほどに、どうしても、胸がときめいてしまう。
「陛下。仮の妻に、そこまで義理を立てる必要はありません」
「その言葉、そっくりきみに返すよ」
リアムはミーシャの頭をくしゃりと撫でた。
「それと、俺は、ナタリーに恋愛感情などない。お似合いと言われても困る」
膨れていく感情を抑えようとしたが、失敗した。顔を覗きこまれて、心臓がひときわ強く跳ねあがった。
「陛下とナタリーさま、とてもお似合いです。陛下の治療のために傍にいる私は、二人の恋路を邪魔する厄介者だと思ったんです」
笑顔を添えて伝えたが、
「自分のことを厄介者だと思った。だから、俺に会いたくなかった?」
リアムはミーシャの言葉を繰りかえしながら眉根を寄せた。
「普通、誰かに会いたくないと思うときは、相手に問題があるときじゃないか?」
「……そういうときもありますが、自分に問題があるときだってあります」
「そういうものか。だったら……」
リアムはミーシャに近づくと、まっすぐ目を見つめがなら続けた。
「次からは、俺に会いたくないとは思うな」
雪に埋もれた足が凍ってしまったみたいに動かない。ただ、彼を見つめる。
「思うな、とは、……どういう意味ですか?」
「自分を否定したり、卑下してしまうときって、弱っているときだろ。そういうときこそ真っ先に俺を頼って。ひとりで落ち込むくらいなら、会いたいと思ってほしい。きみの痛みは全部、俺が受け止めるから」
彼の大きな手が、ミーシャの頭にやさしく触れた。
「なにも打ち明けられずに無理されたり、避けられるのって、寂しいものなんだ。だから、言ってほしい。困っていると。きみのことを助けてあげたいから」
氷像のように、その場から動けない。なのに、まるで身体の中は、炎の鳥がいるみたいだった。心臓が高鳴ると同時に、胸が熱くなっていく。
――どうしよう。私が彼を支えるべき立場なのに。リアムのやさしさが、言葉が嬉しい。
リアムは、昔から人を思いやれる、やさしい子だった。今は強さまで備わってしまった。大きくなったのは身体だけじゃない。心は広く、慈悲深い。
成長した彼を知るほどに、どうしても、胸がときめいてしまう。
「陛下。仮の妻に、そこまで義理を立てる必要はありません」
「その言葉、そっくりきみに返すよ」
リアムはミーシャの頭をくしゃりと撫でた。
「それと、俺は、ナタリーに恋愛感情などない。お似合いと言われても困る」
膨れていく感情を抑えようとしたが、失敗した。顔を覗きこまれて、心臓がひときわ強く跳ねあがった。


