三奈と栞は励ましてくれるけど、どちらかと言えば自分の愚かさに落ち込んでいる。
毎日のように先生に彼女がいるのか聞いてる女子を見ていたのに、先生が相手にしないから気にしてなかった。
むしろ雑用手伝ったり、勉強教えてもらえることにちょっとした優越感すら感じていたかもしれない。
絶対ダメじゃん!
何度も言うけど、先生のことは好きになりたくないのに……!
いっそのこと、彼女がいてくれたら諦められるのかなぁ……。
* * *
放課後、雑用兼英語を教えてもらいに行ったら、陽生先生は用事があって先に帰ったと言われた。
まあ先生も用事とかあるか、と思って今日はそのまま帰ることにした。
その帰り道。
「え……あれ?」
ふと目の前に陽生先生らしき後ろ姿を見つける。
しかも先生の隣にいたのは、5歳くらいの男の子。先生に手を引かれている。
えっどういうこと!?
あの人陽生先生だよね!?
一瞬だけ見えた横顔は、間違いなく陽生先生だった。
ま、まさか……先生の息子!?