しかし、今の私を見て、まさか女子高生だと思う人など居ない。

もし、本当のことを言えば、それはあり得ない、サバ読み過ぎだと、逆にからかわれるぐらいだろう。

「早速だけど、得意なやつ歌ってよ」

常連客に声をかけられる。

「んー、ここはやっぱり80'sのダンスミュージック?」

「そうそう、俺、サマンサ・フォックス好きだったんだよ。歌える?」

「オッケー!じゃあ、ノーティー・ガールズ歌っちゃおうかな」

アラフォーかアラフィフ世代のみんなが盛り上がる。

学校ではニコリともしない、必要最低限の言葉しか発しない私が、ここではカラオケの女王だ。

まるで歌手にでもなったかのように、周りを盛り上げるため、ノリノリで歌い踊る。