「私だって、ブラックコーヒーなんて苦すぎて、これが嗜好品扱いなのが不思議で仕方ないよ。薬より苦いのに」

そう言うと、先生は少し笑った。

「どんなに背伸びしてても、李家はやっぱり16の女の子なんだな」

「そんなこと、最初から知ってたでしょう?」

とりあえず、お互いに1本飲み切る。

「ねぇ。そろそろ本題に入らない?」

私が言うと、先生は、

「これは、俺のエゴでもあるってこと、最初に詫びておかないとな…」

まだまだ、話が見えてこない。