「生徒を脅しておいて、よく言うわ」

流石に頭にきた私は、乱暴に椅子に腰掛け、脚をクロスしたまま投げ出す。

先生は、相変わらず何を考えているか読めない眼差しを向けている。

負けてたまるか、こんなサイコ教師に。

暫く、黙って睨み合っていた…は、少し違うかもしれない。

睨んでいたのは私だけで、先生の感情が全く見えない眼差しを私が一方的に怯えているだけか。

先生が先に目をそらしたと思いきや、

「これ、飲みな?」

目の前に、ボトルのまま凍らせたスポーツドリンクを置かれる。

「結構です」

「ダメだ。熱中症になって倒れられても困る」

だったら夏休みに呼び出すな!と言いたくもなるが、受け取るしかない。