内心、怖気づきながらも、負けじと私も先生を睨みつける。

「何なんですか?夏休み中にパトロールするには、随分マニアックな店に来ましたねぇ。あそこ、若い人なんて来ないのに」

「残念だったな。初回の授業での自己紹介の時、俺が80'sの洋楽が好きだって言ってたの、全然聞いても居なかったんだろう?」

確かに、全く記憶にない。

「嘘と真実を混ぜたらいいとでも思ったんだろうけど、ひとりひとり自己紹介する時、李家も80'sの洋楽が好きなんて言ったから、面白そうなヤツだなって、お前に興味持ったんだよなぁ」

何なの、この人…?

いつもの、典型的な人気教師とはまるで違う。

「女に向かってお前呼ばわりする人、大嫌い」

これは本音なので、そう言ってやる。

「悪かったねぇ。じゃあ、なんて呼ばれたい?」