時刻は午前十時。
やばい、、、、、。
(三十分も早く着いてしまった!)
昨晩は緊張と恥ずかしさで眠れず、オール状態なので、少し眠たい。
「早く来ないかなぁ、寝ちゃいそう、、、」
「おいっ」
誰かに肩を触られた。
振り向く勇気がなく、背中越しに会話をする。
「いっ今、人待ってるんで」
「へぇ、誰待ってるんですかぁ?」
これ絶対なんぱってやつだ。そう思った私に、早く帰って欲しい気持ちが襲いかかってくる。
「かっ、彼氏まってるんですっ!!」
自分の声の大きさに少しビックリした。それと同時にぶわっと顔が赤くなるのがわかる。
「ははっ、彼氏様の声も分かんねぇのかぁ。彼女さんっ」
「へっ?」
振り向くと、清楚系の洋服を着た龍が立っていたのだ。
「なんだ、お前。すげぇ顔赤いぞ?もしかして照れー」
「はいはい!黙って目的地行こうか!」
龍の言葉を遮って、背中に周り押した。
そして、焦りながらも目的地へ向かうよう指示する。
龍は、「はいはいっ!行けばいんだろ?行けば」と言って先頭として進み出した。
「てゆうか、目的地ってどこ?」
「あー」
「デートスポットってやつ?まぁ着いてからのお楽しみな」
私は驚いた。龍から、デートスポットと言う言葉が出たことに。
「早く来ねぇと置いてくぞー」
「ま、待たなきゃ蹴るよ、、、、」
「理不尽すぎんだろ」
龍の後ろ姿に、少しドキッとしてしまった自分がいる。
(今日は、絶対に私が龍のことドキドキさせてやるっ!)
そう決意して、龍のもとへと駆け寄った。