「今日のテスト返すから、出席順に取り来い」


今日もクラスが騒がしくて、腹が立つ。
そう思い私は、渋々と席から離れていく。
テストなんてただの紙きれなんだし、しなくたっていいと思うなぁ。面倒だし。


「おぉ、やっぱ下葉はすげぇな!」


「いえ、これくらいは当然です」


今日も私は先生から褒められる。テストの点数は九十五以上。
今回は九十八点と少し高かった。やりすぎたかもしれない。


時刻は午後三時半。
そろそろ下校時間になる。
(早く帰りたい、、、)


テストを全員分返し終わり、一斉にそそくさと帰る準備を始める。今日は雨で湿気が嫌になる。


気づけば下校のチャイムがなっていて、脳死していたからかチャイムがなるまでの記憶が曖昧だ。まぁ、これはこれでありがたいけど。


私は一番に教室を後にした。
帰り道では、雷の音が鳴り響いている。


歩いていると、どこからか声がした。声がした路地を覗くとそこには、人が倒れており喧嘩をしている様子が伺えた。


「これ、君が全部やったの?」


立ちすくんでる後ろ姿を眺めて言う。
すると、ゆっくりと振り返った。


「あ?何だお前。見ねぇ顔だなぁ」


「そりゃ私、君のことしらないし。名前聞いたらわかるけど」


「俺は、火瑠矢 龍。」


「お前、名前は?」


「え、教えたくないんだけど。」


「誰があんたなんかに名前教えなきゃいけないわけ」


そんなこと私は一言も言っていないからだ、当然のことだ。


「はぁ!?礼儀だろ、礼儀っ!お前ずりぃぞそれは!」


「べっつに、私教えるなんて一言も言ってないし?」


「お前大概性格悪ぃのな!!」