かれこれ一週間龍と連絡がつかない。


デートは失敗に終わった。
通行人を助けたあと、やっとデートに行けると思ったら龍が全速力で逃げ出してあいつ帰りやがった。


あのデートカッコ仮のあとに、友達に私の連絡先を教えてもらったと龍からメッセージが来ていた。
その時の第一声がほんとに酷いもので。


「ほんとに悪かった。帰っちまったわ」


こんな彼氏他に居ないだろう。


そんな一通の連絡を最後に龍との連絡は途絶えてしまって、何だか悲しい。


「陽菜〜!ちょっと下に降りてきなさい!」


「わかった!」


そんなこんなで考え事をしていると、お母さんからリビングに来るよう命じられた。


何事かと思いつつ、階段を降りてリビングに入るとそこには、お母さんがテーブルに座って手招きをしていた。


「ねぇ陽菜、今週誕生日じゃない?プレゼント、何が欲しいの?」


「あー、、そうだった」


龍のことばかり考えていたので、今週自分の誕生日が来ることを忘れていた。


「ちなみに、参考書は要らないわよね」


「え、何で?別に参考書でいいよ」


「だって、最近の陽菜何だか楽しそうだもの!勉強以外で何かいい事あったんでしょ!」


「いい事っていうか」


そんなに私明るくなったのかな。


私は兄がいた。私の誕生日に亡くなってしまったけれど。