ココアラテ★~残業のあと後輩くんと甘いタイムを…~






ふんわりと揺れる柔らかそうな前髪から覗くその瞳は、丸くて少し大きめでアライグマのようだった。
いたずらっ子のように、歯を見せる表情はまるで子供のよう。


彼はこんな顔をしていたのか。

こんな顔で笑うのか。



「えーと、先輩」

「……」

「この後、ご飯食い行きませんか?」

「……」

「この間できた焼き鳥屋さん行ってみたくて」


鳥はそんなに好きじゃないんだけど。




「うん、行ってみようかな」


好きじゃない筈の甘いラテを美味しいと思ってしまったのはナゼなのか。

"貴方をもっと知りたくなった"なんて言ったら、藤原くんはどんな顔をするんだろうか。




それを知るのは、きっとまだ先の話――。