結局、買い物をして、買い物っていうのも食料品や調味料、材料だよ。日本と変わらないよ、これじゃ。

 海斗のアパートメントに行って、早速ご飯を炊いて料理を作る。こんなことになるんじゃないかとエプロンや布巾、ピーラーとか持ってきたんだよね。役に立った。

 「あー、いい匂い。茜、やっぱりここに住んだ方がいい。なあ、そうしよう。俺がいずれ会社に入るという条件なら休ませてくれるだろ?」

 「何、訳わかんないこと言ってんの?許されるはずないでしょ。会社はみんなでお仕事分担しているんだよ。私はそれでなくても三ヶ月も休んでたんだよ」

 「茜は俺より会社のほうが大切なのか?」

 ソファから頭をひねってこっちを見ている。何なのよ、もう。

 「とにかく、たくさん作ってあげるから安心して。ね?」

 「……茜。お前、日本に何かあるんじゃないだろうな?」