嫌みを言ったら、おじいさまが睨んでる。

 「まあ、そうだろう。家族皆が弁護士資格保持者。うらやましいのう」

 「血縁以外にもたくさん優秀なものがいる」

 「そうじゃな。うちの会社にもたくさんおるよ。だが、わしは出来るなら血の繋がったもので、海斗君のような信じられる婿がいいんだ」

 「海斗の今後については、私達を入れて話し合いをして下さい。そうじゃないと海斗がどう思っていたとしても阻止します」

 海斗のお父様がはっきり言った。か、かっこいい。うちのパパとは違うタイプ。パパは前には出ないけど、優しくて後ろから支えるタイプ。私はパパも大好き。

 蓮見のおじいさまが言った。

 「よかろう。勝手をして悪かったが、前向きに考えてもらえて助かる。茜のことは、新藤君以外もう考えないようにするから安心してくれ」

 「ようやくこれで俺たちは親族になるわけだ。なんの文句がある?」 

 海斗のおじいさまが笑いながら言った。

 「そうじゃな。全くだ」

 二人の祖父は顔を見合わせて微笑んだ。