もう、海斗ったら。 「おばさんにこんなことがあるなら茜はやらないと叫ばれたよ」 「……ママったら」 「父も、母も平謝りだ。爺さんは俺の側にいながら申し訳ないと謝っていた」 「みんな、誰も悪くないのにね」 「茜。お前をおいてアメリカへ行くのは心配だ。しばらく日本にいる」 「海斗」 「何も急ぐ必要ない。留学は一年だし、俺にとって一番大事なのはお前だからな」 「ありがと」 海斗は身を乗り出して、私のおでこにキスをした。