頭がもうろうとする。眠い。目が下がってきて、また意識がなくなった。
次に目が覚めたときには一般病棟だった。でも個室だ。
傷と反対側の手が動いた。良かった。足も反対側は動く。海斗がベッドへうつ伏せになって寝ていた。今何時なんだろ?
手で布団を触ったら、海斗が気付いた。
「茜。やっと気付いた。ああ、気分はどうだ?」
「うん。大丈夫だよ。海斗、顔色悪い。おうちに帰って休んで」
「馬鹿。茜をおいて帰れって言うのか?無理だろ。お前が心配でどうせ眠れない。ここにいて一緒に寝るほうがいい」
「それなら、ここにベッド入れてもらって……」
海斗はナースコールをして医者と交代で出て行った。怪我は徐々に良くなるらしい。この間よりは頭がはっきりしている。でも痛い。傷は残ると言われた。



