「あかちゃん……なんてことだ……可哀想に。ありがとう、海斗を助けてくれたんだってな。あかちゃんと海斗を襲った連中、俺がコテンパンにしてやる。それから聞いたよ、あかちゃんはやっと俺の妹になるんだろ?嬉しいよ」
「……うん」
健斗さんは私の頭を撫でた。
「兄貴のやつ、話を聞いてすっ飛んできたんだ。母さんは一度来て、仕事を片付けに戻ってる。父さんは今日裁判なんだ。夜に来るよ」
母も言う。
「茜。兄さんとお父さんが心配して来たいって言ってたけど、断ったからね。仕事はしばらくおやすみだから言っておいたわ」
「……うん」
「せっかく私が買ってあげた可愛い服が血まみれになっていて、卒倒しそうになったわよ。茜、早く良くなって結婚式の相談しましょうね」
「……」



