「大丈夫ですか?」 「……はい」 気が遠くなる。警備の人が先に来て、男を押さえた。 海斗がこちらに来た。 「茜、ああ、俺のこと、どうして……」 「海斗、無事?」 「ああ、しっかりしろ。すぐに助ける」 「……よかった……」 私はそのまま気を失った。 気付くと病院だった。酸素マスクをしている。身体が動かない。ぼんやりする。 「茜!わかるか?」 目の前にすごい焦った海斗の顔があった。頭が動かせない。瞬きをして教えた。