「好きな事って?」
「ニューヨーク州の弁護士資格を取って、海外取引もカバーできるようになってから今後のことを話し合うつもりだが、会長に言われた件を真剣に考えている。お前を誰かに取られるくらいなら俺が上に立つ。今も蓮見の業務を知る立場にある。社内の人間を使いながら上に立つことも可能だ」
「もしかして、それって……」
「ああ。蓮見の重役達が認めてくれるなら社長職を継いでもいいと思ってる。ただし、やるならグローバル化が急務だ。蓮見の弱点を強化する。そのための国際弁護士だ」
「ええ?!」
「もちろん、社長になるなら弁護士の仕事は出来なくなるだろう。でもこの資格が蓮見商事にとって武器になる」
自信ありげな海斗の横顔。この人、本当にスーパーマンなんだ、きっと。
「本当にそれでいいの?まさか私のためだけに?無理しないでいいんだよ、私、別にそんなこと望んでないし、おじいちゃんや伯父さんにはきちんと言うから……」



