イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの


 店の人に手を振られながら外へ出る。タクシーで新しくなったその公園広場へ向かった。ふたりで新しい施設を見学して、夕方公園のベンチに座っていた。

 「茜。実は話したいことがある」

 「なあに?」

 「俺、近いうちにアメリカのロースクールへ一年留学したいんだ。ニューヨーク州の試験を受けてあちらの仕事もこなせるようになりたい。お前の会社の実務を少し見たが、商社は海外との取引も多い。国際弁護士として実務が出来るようになりたいんだ」

 やっぱりそうだったんだ。あのチラシ、海斗のだったんだね。

 「部屋にたくさんチラシや学校の本があったのは、そういうことだったんだね」

 「茜。お前ときちんと結婚してから行くか、婚約してから行くか迷ったんだ。茜はどうしたい?」

 「海斗は将来おじいさまの事務所を継ぐの?」

 「いや。好きなことをやれと言われた」