そう言うと、箱を私に渡した。私は返事も出来ず、その箱を受け取ると海斗の顔を見た。
「開けてみろ」
リボンをほどいて箱を開けてみると、大きなダイヤの指輪が入っていた。
「……か、海斗。これ……」
「返事は?返品とかきかないぞ。これでも結構頑張って買ったからな」
声が震えた。
「嬉しい、ありがと海斗……こんな私で良ければお嫁さんにして下さい」
私が頭を下げると店の人や客が拍手喝采。おめでとうと言う声。花束を店の人が持ってきてくれた。は、恥ずかしい。指輪を海斗が左手薬指にはめた。また拍手喝采。もう、ダメだ。どうしたらいいのか。
「出ようか」



