「飲み過ぎるなよ。一杯にしておけ。このあと歩けなくなったら困るからな」
「うん。このあとはどこに行くの?」
「一緒によく遊んでいた大きな公園があっただろ。あそこ、最近再開発されていろんな店や面白い展示館が出来てる。もちろん公園もきれいになって残ってる。見に行かないか?」
「行きたい!」
ふたりで出てきた料理を食べて、デザートが運ばれてきた。特別デザート。誕生日用だ。
「海斗、ありがとう。嬉しい、最高の誕生日」
「喜ぶのはまだ早い」
そう言うと、海斗は鞄から小さなリボンのついた箱を出した。そして、その箱を両手で抱えて深呼吸した。顔を上げて私を見た。
「早見茜さん。俺と結婚して下さい」



