「……うん。何でもない」

 「何でもない?嘘だろ。お前嘘つくとするわかる。昔から嘘つくとここにしわができる」

 眉間の間を押された。

 「う、うるさいな」

 ぎゅっと抱きしめられた。

 「昼も、そして夜も俺でいっぱいになってる茜とか最高だ。高梨のことは放っておけ。なるようになる」

 ご機嫌の海斗をひっぺがして急いで会社へ行く。

 朝礼時。
 今日から高梨君がしばらくおやすみになると課長から発表があった。
 仕事は先輩男性社員が肩代わりするらしい。

 高梨君がおやすみだと法務部のほうはどうなるんだろう。総務のほうはもちろん他の男性社員が代わりを務めるのはわかるんだけど。