「ご無沙汰しています」
「……茜さん。ごめんなさいね。主人が無理を言ったのね?わたしのせいね」
「そんなわけないです。伯母さんはちっとも悪くないです。悪いのはおじいちゃんです。今喧嘩してきましたから。大丈夫です」
伯母さんは口元を押さえて笑い出した。
「何か、茜ちゃん変わったわね。そちらの彼のせいかな?新藤さんのお孫さんよね?許嫁って言われていた……」
「はい。新藤海斗です」
「お付き合いをはじめられたとか……主人から聞きました。さぞ驚かれたでしょう、茜ちゃんの縁談なんて……お父様も勝手ですよね。小さいときはあなたと許嫁。大きくなったら別な人なんて。女を何だと思ってるのかしらね」
「……伯母様」
「お父様と主人に聞かれたら怒られそうだけど、茜さんの気持ちが一番大事だし、茜さんのご両親にも何もお話ししていないと聞いて驚いたのよ。勝手をして謝っていたとお伝え下さいね」
伯母様。いい人だな。伯父さんにはもったいない。



