「ちょっと昨日のこととか思い出してしまって、は、恥ずかしい。そんな笑顔で見られると、その……」

 「そうだろ。俺もさっきお前に会ったとき、抱きしめてキスしたくなった。朝別れて半日しか経ってないのにな」

 「……なっ!」

 「身体大丈夫か?」

 小さい声で聞くと、こくんと頷いた。可愛い奴。触りたいのを我慢する。

 エレベーターホールに着いた。ボタンを押させずに茜の方を向いて話した。

 「明日のことはわかった。今日も少し遅くなるが、家で食べるよ。明日のこと相談しよう」

 そう言うと、ボタンを押してエレベーターに乗って別れた。