クラウスに魅了魔法をかけてから一週間。

 彼は毎朝迎えに来て、帰りも家まで送ってくれた。一緒にいる間、むず痒くなるくらい甘やかされている。でもエルヴィアナも、口では嫌だと言いながらも満更でもなかった。単純である。

「レディ! ああ、今日もなんと麗しい」
「お飲み物はいかがですか?」
「甘味はいかがでしょう。流行りの店で焼き菓子を購入して参りました!」
「肩を揉みましょうか」
「それともお花を摘みに行かれますか?」

 休み時間。今日も今日とて、惚れさせてしまった美男子たちに囲まれている。

「結構よ。一人にしてくれないかしら」