その日は、いつもより暑く、空は青く、綺麗だった。

今でも鮮明に覚えている。彼と遊べなくなって、寂しい思いをして高校最後の日を迎えた時、もう少しなにか出来たんじゃないのかって後悔が残って。

けれど時々、彼は時間があれば私に電話をくれたし、きちんと“好き”だと伝えてくれてた。だから私も伝えたし、私は大丈夫だと信じていたのだけれども、彼は私をどう思っているのだろう。

一人ずつ名前を呼ばれて卒業証書を貰っている姿を眺めながら、私は気になっていた。

隣のクラスにいる彼は、いつもの優しさじゃなく、どこか人を寄せつけない雰囲気が漂っていた。

私が名前を呼ばれた時も、彼が名前を呼ばれた時も、私たちが顔を見合わせることはなかった。このまま今日で自然消滅なんて寂しいことにはならないといいのに。そう心から願ってしまった。

卒業式も終わり、外でみんなで写真を撮りまくって楽しんでいた。

「8月いっぱいまではここの生徒だからいつでも来ていいからな〜!!」

担任が泣きながらそんなことを言うので私たちは笑いながら大きな声で返事をした。

一部、すごい生徒がいるだけで、この学園は楽しいところだったなと思う。あぁここの生徒でよかったのかもしれない。彼に出逢えたのだから。