冬休み最終日。私と紅斗くんは二人でプリを撮っていた。今のご時世にプリを撮るとか懐かしかった。しかも好きな人と。面白くて楽しくてふざけまくって。あぁ好きだなぁって心から思った。

日々、好きな人の好きが更新されるってこんな気持ちなんだろう。会う度に話す度に好きが増えていく。彼を好きになれた自分を誇りに思っていた。

10時に駅に集合という約束通り、駅に向かった。

時刻は9時47分。少し早かったか。いや妥当か。そんなことを思いながら紅斗くんを探すと、彼はもう既に私を待っていた。

「紅斗くん!」

走って彼のところに向かうと、彼は嬉しそうにしていた。

「白愛〜!」

両手を広げて待っている紅斗くんに、私も両手を広げて飛びついた。周りの目があるのにも関わらず、私たちは二人だけの空間かのように幸せをかみ締めた。

紅斗くんの今日の格好は、黒い長ズボンに、ダボッとした微かに紅がかかった淡い空色の紅碧(べにみどり)色に似たシャツを着ていた。

対して私は、ベージュ寄りのピンクで、袖やスカートの途中から編み編みのワンピースを着ている。ベージュがベースで、ピンクのリボンが特徴的な小さなカバンを持ち、2センチか3センチほどの背が盛れる淡いピンクのヒールを履いていた。

「今日も可愛いね、白愛! 大好きだよ〜」

相変わらず愛情表現の強い紅斗くんに、私は笑いそうになる。あのいつもクールで冷たい彼はどこにいるんだろうね。

「私も大好きよ、紅斗くん!」

だから私もたくさんの愛を捧げた。