真っ白な血

輝月からすると、私が迷って好きなことをしないのは嫌なのだろう。

私からすると、輝月の気持ちを無下にするのは嫌だ──いや、あの子が望んでいるならば、私は好きにすることが正しいのだろうか。

私はまっすぐに紅斗の目を見て言った。

「……私も……紅斗くんが好きです。こちらこそよろしくお願いします……」

幸せな幸せなカップル誕生!

心の中でそう喜びたかった。

紅斗くんに家まで送ってもらい別れを告げた。

家の中に入り、部屋に入り、早速、輝月に電話をかけた。

〈もしもし?〉

輝月は素直に出てくれた。

「………………紅斗くんと付き合うことになりました」

〈……え? まさかそれを報告する為に電話したの!?〉

電話越しにとても驚いている輝月の声がした。その後すぐに驚きの声は笑い声に変わった。

「だって……! 私は輝月も大事だし大好きだけど、それは輝月と違うくて。けど、紅斗くんの好きと私の好きは同じで。好きの形が違うと、やっぱりどうしようもなくて…………えっと、だから……その…………」

必死に弁解して、必死にどうにかしようとしたけれど、輝月の笑い声は止まらなかった。

〈白愛〉

優しい優しい声がした。輝月は、いつにもなく、とても優しい声で私の名前を呼んだ。

「なぁに?」

〈好きだよ、大好きだよ。友達としても恋愛としても。誰よりも大好きだよ。だから大丈夫。白愛が幸せならワタシは生きていける〉

その声は本当に心から思っているようで、それを“大好き”なんて気持ちで片付けるには重たいように感じた。バケツの中に水を沢山入れても、まだ溢れてくるような感じだった。