高一の入学式。隣の席に来た女子生徒は物凄く綺麗で、そのことを全く気がついていなかった。

仲良くなるうちに優しい子だって知って、もっと仲良くなりたいと思った。

もう気がついた時には好きだった。大好きだった。どうしようもないくらいに。

だから修学旅行の時に告白した。もちろん、彼女の言動でワタシには勝ち目なんてないことは知っていた。付き合う気も全然なくて、もし叶うなら、一日だけでもいいから、彼女の頭の中がワタシだけになればいいと思っている。

修学旅行が終わって、家に帰ってきて、携帯の写真を整理しながらワタシは、そんなことを思っていた。

自分の部屋にあるベッドに座って、また修学旅行に行きたいなと思った。観覧車の中で見た外の景色は彼女の似て美しくて。あぁ時間が止まればいいのにと、どれだけ願っただろう。

自分から“友達として”なら遊びに誘えたのに、“デート”には誘えなかった。

小心者の臆病なワタシが彼女の隣にふさわしいわけがない。

携帯に写っているワタシと彼女の修学旅行の時のツーショット。満面の笑みでカメラ目線の彼女に対し、少しだけ彼女を見ているワタシは欲が丸見えだなと感じた。

横にスライドすると、別のツーショットが出てきた。

ジェットコースターに乗って叫んでいる写真。

アイスをこぼしてショック受けている彼女の写真。

お化け屋敷でビビり散らかしてる彼女の写真。

天寺とツーショットを取れて、ほんの少しだけ頬が赤い彼女の写真。

授業中に寝ている彼女の写真。

逆に真面目に授業を受けている彼女の写真。

昼休みに二人でふざけた写真。

修学旅行の時にホテルで撮った彼女の寝顔の写真。

幸せそうに時々、天寺と喋る彼女の写真。

たくさんの思い出の写真が出てきて、あぁあと少しで三年生になって終わるんだと思った。

卒業しても彼女と一緒にいられますように。

けれど、彼女に彼氏が出来た時、ワタシは立ち直れるだろうか。物凄く怖くなってきた。

神様──どうか赤宮白愛が、これから先も幸せでありますように。