真っ白な血

丁度テッペンに到着した時、輝月がとても愛しい者を見るような目で言った。

「これから先もずっとワタシの隣にいてね、白愛」

その今にも泣き出しそうな声は優しくて、私がないてしまいそうだった。

そして同時に、なぜ私なのだろうと感じた。

よく私が紅斗くんと仲良くしているから、てっきり彼なんだと思い、勝手にライバル心を抱いていたのに。そんなこと知らないだろうけれど。

「……………………あの、ね……」

話を切り出そうとすると、静かに輝月は自分の右の人差し指を口元にあてた。

「何も言わなくて大丈夫だよ」

寂しそうに、無理に笑っている表情を見た時が私の涙腺が崩壊する前触れだった。

ただただ溢れてくる涙に私はどうしようもなかった。必死になって私の涙を止めようとしてくれる輝月に私は申し訳なかった。

そこから私たちの関係がギクシャクすることはなかった。いつも通りの関係だった。それは輝月が私に普通に接してくれたからだと思う。それは何より私にとって嬉しいことだった。

好きな人から振られるのはどれほどツラいのか。私には想像することが出来なかった。けれど勇気をだして告白してくれた輝月に、私も勇気を与えられたように思う。

ホテルに到着して、お風呂など入り全てが終わった時、私は輝月に断りを入れてから部屋を抜け出し中庭に向かった。

いないと分かっている紅斗くんを探しに。当然、彼が中庭にいることはなかった。代わりに西園寺くんがいた。

「西園寺くん」

私はゆっくりと彼に話しかけた。