飛行機に乗り、いざ出発！ 乗った瞬間は静かだったけれど、すぐに慣れてみんなでトランプしたり会話したりと楽しんだ。そのうち疲れてみんな寝てしまったけれども。

「──起きろ〜」

担任が起こしてくれるまで私たちは爆睡していた。そろそろ到着すると言うので、降りる準備をする。

到着してみんなでぞろぞろと飛行機から降りた。

目的地のホテルまで向かうバスの中も、みんな爆睡していた。担任ですら寝ていたそうだ。

ホテルに到着した。ホテルの管理人が挨拶にやって来て、みんなで一斉に「お願いします」と挨拶した。

二人で一部屋のため、私と輝月で部屋に向かう。キャリーケースを押しながらエレベーターに乗って、目的地の階まで移動した。

「エレベーターに乗るとさ、ふわって頭浮く感覚が気持ち悪いって思ったことない？」

「……え、わかんないかも」

輝月の独特な感覚に私は共感できず、本当にしょうもない会話をしながら部屋の前までやってきた。

「この部屋か……520号室」

31階にある私たちの部屋。ダブルベッドでさほど広くもない部屋。荷物を置き、すこしゆったりとする。もう時刻も午後6時で、これから夕食後には少しだけイベントがあって各自部屋で自由だ。

しおりには“日付が変わる前に就寝すること”と表記されていた。“他の一般客に迷惑をかけないこと”、“通りすがった人には挨拶をすること”などなど、当たり前のことが書かれていた。

思ったよりも治安が悪いのだろうか。