真っ白な血

本音を言うと、紅斗くんに好きな人がいる事実が怖い。そんなことを彼に伝えても、どうしようも無いことは知っている。

ある日、紅斗くんと電話するタイミングができた。紅斗くんがかけてくれた。かけた瞬間は沈黙が続いたけれど、電話越しの紅斗くんからの〈もしもし〉という声で、気が抜けたのか普通に接することが出来た。

他愛もない会話だった。そろそろ寒くなるね、とか。この前、行ったカフェの新作、変わったらしいよ、とか。ならまた今度、行こうよ! ということになったし楽しみだと感じた。それから最近の輝月が私を避けてる気がする、とか。そういえば紅斗くんは西園寺くんと知り合いなのか、とか。楽しいことも気になることも、友達のように会話した。あぁ、好きだなぁ……。

〈…………煉とは、小さい時から一緒なんだよ〉

いつもよりも優しく話始める紅斗くん。何か秘密を伝える人みたいに。

〈白愛は……驚かないで聞いてくれる?〉

「なに、を……?」

何を言われるんだろう。私が知らないことなんだろう。怖い。聞きたくない。けれど彼のことは知っていたい。

〈ボク……いや、俺ね、“赤い人”なんだ…………〉

「あ、それは存じ上げております」

〈……知ってんの?〉

「はい」

〈なん…………あ〜…………盗み聞き?〉

「…………人聞きの悪い! そうだけど!」

何を言い出すのかと思えば知っている内容だった。なぜなら一年の時に放課後の教室で話していたからだ。あの時は驚いて気になって怖くって、だから調べてみた。とは言っても、あの女子生徒に話しかけるぐらいしかできなかったけれど。