真っ白な血

正門から入り、ゆっくりと歩を進める。

通りすがる人々から見られているのが気になるけれど、知らないフリをした。

顔に何かついてるのかな。そんなわけないよね。

とりあえず先生方の案内に従いながらクラス名簿を見た。知らない生徒ばかりで戸惑いはしたけれど、当たり前のことだと深呼吸した。

クラスに向かう途中、ネクタイの色が私たちと同じ男子生徒と通りすがった。

会釈だけして通ったが、男子生徒は振り返り、私に声をかけた。

「なぁアンタ、名前は?」

低く相手を落ち着かせてくれるような声。

赤宮(あかみや)白愛です……」

真っ赤な瞳を一瞬だけ白く見せた男子生徒。

その姿が異様に目に焼き付いた。

「へぇ……」

よく分からないまま男子生徒は去って行った。

そう言えば彼、八重歯が見えた。

この国の住人で八重歯がある人がいるなんて……私は少しだけ驚いた。