真っ白な血

〈白愛ちゃんって好きな人いるでしょ?〉

「へっ!?」

突拍子もなく急に問いかけて来るもんだから、驚いて変な声が出てしまう。彼は笑っていた。

〈オレの話を断ったのキミが初めてなんだ。大抵の人はOKしてくれるからさ〉

自分のイケメンさを利用している。直感的にそう感じた。別に事実だからいいのだけれども、あまり人のイケメンとかブサイクとかに興味はない方だと思っている。

「いないよ……好きな人」

〈うっそだぁ!〉

何が楽しいのか分からなかったけれど、西園寺くんは私との会話を楽しんでいた。電話越しだけれども、彼の顔が浮かんでくる。いつもみたいに楽しそうに私と話しているんだろう。紅斗くんともこういう風に電話ができる日が来るといいな。

〈それならオレと付き合って! オレね、白愛ちゃんが好きになっちゃった〉

「ふふ。私も西園寺くんのこと好きよ。お友達として! それでどこに行くの?」

〈ちがーう!!〉

声を荒らげる西園寺くん。電話を耳に当てていたから驚いてしまった。

「電話越しに声を荒げないで〜」

〈ごめんね〜〉

西園寺くんは謝ってくれる。私は「大丈夫だよよ」と言っておいた。

〈オレね、白愛ちゃんに恋愛感情を抱いてるの! 鈍感?〉

「え………………」

そうとは知らずに私はなんて事をしたのだろう。西園寺くんはいつも通りの声だったけれど、私は罪悪感に押しつぶされそうだった。

「ごめんね、西園寺くん…………好きとか付き合うとか分からないから……」

〈それならオレと付き合って知ればいいじゃん〉

「…………けれど好きでもない人と付き合うのは間違っていると思うの」