真っ白な血

気がつけば西園寺くんが私に告白まがいなことをしたことが学年中に広まっていた。しかも噂には噂がくっついて、ある事ないこと言いふらされていた。

赤宮白愛は西園寺煉の告白を冷たく断ったとか。

西園寺煉は振られてからショックで立ち直れていないとか。

赤宮白愛は、己の美しさに気がついているとか。いや、何? 美しさって。私にそんなものないよ。

西園寺煉は女なら誰でもいいとか。

赤宮白愛は好きな人がいるとか。いや、いないんですけど。

そんな噂をそこら中で耳にするようになった。なぜなら、私の隣にいるのは輝月ではなく西園寺くんだったからだ。

「白愛ちゃ〜ん」

語尾にハートマークが付きそう声の高さ。もはやオーラから私のこと大好きと言わんばかりだ。

今日もまた西園寺くんに付きまとわれる日々なんだろう。

「輝月〜!!」

だからいつも輝月に逃げている。彼女といる時は西園寺くんは来なかったからだ。その理由は未だに分かってないけれど。

「傘黄さんに逃げるのやめよ〜?」

「嫌!」

西園寺くんは容赦なく来るけれど、私は輝月から離れることはなかった。トボトボと悲しそうに去って行く西園寺くんの後ろ姿。時々、振り返ってウルウルおめめでこちらを見てくる。正直、鬱陶しいと思った。