真っ白な血

車内は静かで、私は窓の外を眺めていた。

隣で妹は携帯をいじっている。

車まで片道20分の我が校は、創立70年目。さほど長くは無いけれど、代々受け継がれてきた名門学園。

誰もが通いたいと思っている学園だが、倍率は高く簡単には受からない。

時々、親のコネで通う生徒がいるけれど、すぐに辞めてしまう。

真面目な生徒しかおらず、成績優秀。一つの学年だけで100人程度のこの学園で真ん中の順位だったとしても、他校では上位の成績。

この学園を卒業すれば、ある程度の就職と進学は保証されている。

誰もが望んでもひと握りの人しか手に入れらない学園だ。

そんな学園に私は入学する。

その前に妹の学校に向かう。

学校に到着すると妹は降りて、中に入っていた。

「春井さん、ありがとうございます」

優しい笑顔を向け、春井さんはいつも通りに「楽しんできてくださいませ、茶愛さま」と言った。

妹を見送り、私の学校までやってくる。

私も妹と同様に春井さんにお礼を言った。