「白愛も早く行きなさいよ?」

「はーい」

急いでコーンスープを飲み干す。

「ごちそうさま!」

少し雑に食器を洗い場に置き、私は妹と同様にローファーに履きかえた。

「行ってきます!」

「いってらっしゃい。また後で行くわね」

「うん! 待ってるね」

そう言って、私は玄関の扉を開けた。

生ぬるい風が吹く。一歩ずつ歩き始める。

少し先で、妹が車に乗って待っていた。

「おねえちゃん、早く」

「ごめんごめん! 今行くから待って!」

運転手が車の扉を開けて待っていた。

「ありがとう、春井(はるい)さん」

春井さんは私たちが産まれる前から運転手として仕事をしている。

私たちの送り迎えが主な仕事だけれども、父や母が仕事に行く時も送迎をしてくれていて、何かと私たちにとって大切な人だ。

「今日もお願いします」

私たち姉妹は春井さんに感謝の気持ちを込めて伝えた。

「こちらこそ、ご利用ありがとうございます」

そうして学校まで出発した。