真っ白な血

放課後。

部活だと言って教室を出て行ってしまった輝月を見送り、一人で教室に残っていると、扉が開く音がした。

「あれ? 赤宮さん?」

名前を呼ばれ、ふりかえってみると、そこには天寺くんがいた。

数時間前の雰囲気とは異なり、少し優しそうに見える。

けれど、どこかやっぱり怖かった。

「天寺くんはどうしたの?」

「んー……女の子が一人で教室に残っているから気になって扉を開けただけ。赤宮さんは教室で何してるの?」

そう言って天寺くんは私の隣にやって来た。

「担任の先生から任された仕事だもの。何かと委員の仕事は多くて困るんだよね」

「そーなんだ。お疲れ様。手伝おうか?」

「え? …………大丈夫だよ。手を煩わせるわけにはいかないよ」

「そっか」

そう言って天寺くんは私の隣にある椅子に座った。

「え、え!?」

「ん? どうかした?」

「な、なんで……?」

彼はニコニコ笑顔で私を見てくる。

なぜか私は目を逸らしてしまった。

「特に意味はないよ」

嘘つけい! と叫びたかったが、そうもいかなかったので堪えた。