呆然として、もう何も言えなくて、理世は公園を去った。

後ろから聞こえる罵倒の言葉と笑い声。
だけど今は何を言われているのか聞き取れなかった。


「うわぁぁああああああああ!!!!」


家に帰るなり、叫ぶようにして泣いた。

泣き声に驚いた兄は、急いでかけよってきてくれたが、理世はなにも言うことなどできなかった。

自分のせいで、杏音と晴が誘拐された。


…そして杏音は…



―――謝っても、謝りきれない。



翌日、理世は祖母の家へ旅立った。

しばらく杏音と離れてすごせたのが…
…せめての救いだったのかもしれない。