週があけた。

二日後に祖母の家に行き、新しい学校生活がはじまる。
なんとなく気持ちがはずみ、理世はもう荷支度をはじめていた。


「理世ちゃん…」

杏音の声だ。
あの日以来、杏音には何を話しかけられてもシカトしている。

罪悪感か、単に媚を売っているだけなのか…わからないが、上目遣いをしてくる杏音にいらだち以外の気持ちはおこらなかった。


朝になると仕事に出かける父と母。学校や幼稚園にむかう兄弟たち。


いままでは自分も当たり前のように毎日学校に通っていたが、今日は留守番。

普段とは違う、みんなとはちがう生活に少しだけ興奮を覚えた。


昔ハマっていたゲームをしたり、昔書いた作文を読んだりしていると、あっという間に昼になる。

昼ごはんは母が用意するのを忘れたらしく、調理実習で習った目玉焼きを作ってみたが失敗し、スクランブルエッグのようになってしまった。


仕方なくカップラーメンを食べたが味気なく、
一人の食事はこんなにもさみしいものなのかと思った。