「杏音ちゃん、急な転校だって。」

「うそぉ!!知ってればお手紙書いたのに…。」

「えぇ!!じゃあ、委員長誰がやるんだよ…」


杏音ちゃんが転校したという噂は、僕がクラス替えの掲示板を見る前から流れていた。

三日前からずっと神様に祈ってた杏音ちゃんとの一緒のクラス…。


一緒のクラスどころか、学校まで離れちゃったなんて…。


愕然とする僕に残されたのは、新しいクラスだった。

でも今回は不思議とクラスにうまくなじめて、休み時間がさみしくなるようなことはなかった。

ただ、ランドセルのポケットにお守りと一緒に大切にしまってある折り紙のバッタを見るたびに
なんだか不思議な夢を見るような気持ちになった。