狂い咲きの蝶

「お、おはよう…桜山さん…」

「…理世でいいから。」

翌日から学校が変わった。
私がグループ入りした噂は一晩で学年じゅうをめぐったらしい。

昨日とは打って変わってこの態度。
人間って所詮こんなもんなんだなと笑ってしまう。

「理世…あのさ…今日あそばない??」

今まで極力私をさけてきたかつての友達さえ今は私に媚を売ってくる。…オモシロイ。

「ごめんね。今日は集会あるから。」

とげのある言葉ではねのける。それをどぎまぎしながら納得するクラスメイト。

この威厳は決して自分が作ったものじゃなく、グループに所属しているからあるものなんだと自分でわかっていながらも、
へこへこしてくる人間は面白い。

「どけよ!!」

一人で掃除をさせられていたいじめられっ子は、
一日にしてクラスの上にふんぞり返る悪魔になっていた。