狂い咲きの蝶

「いいか。コイツが今日から仲間入りだから。はい自己紹介!!」

自己紹介なんて、転入生だけがするものだと思った。こんな半端なときにまさか自己紹介するとは思わなかった。

言葉も用意していなかった私は、それはもうしどろもどろな自己紹介しかできていなかったんだと思う。


「４年だからシュウとアキコ、特によろしくな。」

「はい！」

返事をするシュウとアキコは目を丸くしていた。
学校をとりしきるこの裏グループに突然はいってきたのは隣のクラスの学年一番のいじめられっ子。

顔も雰囲気も成績もパッとしないのに、なぜリーダーはこいつを…？


その答えをみつけるに時間はかからなかった。大樹の目は冷酷だ。そして人を見分ける鋭さもそれなりにある。

とりあえず理世はこのグループの仲間入りをしたのだった。