「今日の掃除は、1班はトイレの水周りです」

暗くてじめじめしたトイレ周りの掃除は、言うまでもなくいやな仕事だが、イジメの標的である私は最初からそれらを全部一人でやる勢いがなくてはめげてしまう。


「じゃ、桜山、あとは頼んだ!!」

…ほらね。
クラスメイトは給食を終えるとさっさと青空の下へ遊びに行ってしまった。

他の班の人も見て見ぬふり。
そう。私の価値は石ころよりも低いんだ。いうことをきくことだけが能のロボット。

…耐えるしかなかった。
耐えたところでなにもないとはわかっていた。

そんな悲しい思いをして家に帰ったら杏音たちがさも幸せそうに遊んでいる。
憎らしくなるのもしょうがないといえばしょうがない。

次第に杏音に対して憎悪の気持ちばかりが増すようになって
そのうち相手にしなくなっていた。